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「誇大自己」という病

年末に起きた妹殺害事件を機に、心の育ちについて思いにふけることが多くなりました。「誇大自己」をご存知ですか?アメリカの精神分析医コフートが、万能感に満ちた幼い自己愛をこう名づけました。幼い子どもが抱く万能感が、成長しても現実のサイズに縮まらず持ち続けてしまうことで、様々な生き難い問題を抱えてしまうのです。どうすれば原寸大に縮まるのか…コフートによると「自分はすごいんだ!」「自分だって出来るんだ!」といった自己顕示的な欲求が、適切な時期にほどよく満たされる必要があるというのです。もしもこれが出来ないまま過ぎてしまうと、いつまでもこのことがこだわりとなってその人の中に残ってしまうというのです。現実の世界の中でほどよく満たされ、そして成長と共に限界を知り、断念することを学んでいくと、現実の世界で今生きる自分も、ありのままの姿でもなかなかステキじゃん!と思えるようになるのかもしれません。必要以上に大きく誇大的にする必要もなく、必要以上に小さく過小評価し申し訳なく生きる必要もなく…ふとオウム真理教の麻原を思い出しました。貧しい家に生まれた彼は弱視であったことを理由に口減らしのために全寮制の盲学校に入れられ、荒れた幼少時期を過ごしました。彼は誇大自己を抱えながら、神になろうとし、同じ要素を持つ人々を魅了させ、殺人者となり囚われの身となりました。子ども時代に十分な愛情を受けることがいかに大切かをあらためて感じます。そして「自分はすごいんだ!」とひとまず手に入れた王様気分を、実生活の中で原寸大に調整していく体験の積み重ねが、今の時代どれほど保障されているのだろうか…と思うのです。差し当たり、一番身近な親が、常に安定感に満ちて我が子を見守っていくことなのでしょうか・・・
by educare | 2007-01-10 18:57

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