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俳句に寄せて

江戸時代中期に活躍した俳人 加賀の千代女 という女性がいます。

朝顔に 釣瓶(つるべ)とられて もらひ水

という優しい句が有名です。

朝、井戸の水を汲みに来てみると
朝顔のつるが、つるべを吊るした縄に巻きついている。
つるを切ってつるべを使うのはかわいそうなので
隣の家で、もらい水をした…という句です。

彼女の人生は波乱に満ちていました。
結婚するも1年で夫は病死。
実家に戻りますが、彼女も病弱で
また、家族(両親、兄)が次々倒れ
家を支えなくてはいけなくなります。

好きだった俳句も出来ずに暮らす日々…

実はこの時期に
彼女の内面はどんどん充実していきます。
その後10年余りにわたって、めざましい力を発揮していくのです。

とんぼつり 今日はどこまで 行ったやら

千代女の句ではないかと言い伝えられている句です。
子どもを亡くした親が
悲しみを紛らわせるために
わが子はいつもどおりに
大好きなトンボとりに出かけたんだと思うようにしているという
深い悲しみと子を思う親の愛情を感じさせます。

苦しい時こそ
内面の深い充実がつくられていくんですね。

これまでも日本は、たくさんの困難を体験してきましたが
その都度、踏ん張り、立ちあがって今を築いてきた
先人たちの気持ちが少しだけわかる気がしました…。
by educare | 2011-03-26 11:10

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